合氣之術の魅力

大東流合気柔術、中興の祖、武田惣角源正義翁の門人約三万人の修行者の中で、武田惣角翁が御式内（会津藩殿中武芸）の合気技を授けた人物が堀川幸道翁その人であった。そして伝承された幻の合気技は危難を乗り越えて現代まで、奇跡的に受け継がれた。

　合気は至柔不可思議な世界で、柔らかく真綿で包まれるような合気は、とても新鮮な魅力を湛えていて、私はその個性に強く惹かれた。そして修行と研究に心を傾けてから既に三十年余の歳月を重ねた。

私は、大東流修行の内十二年間、堀川先生の愛弟子、新保建雄師範に個人教授を受けた。

この稽古は、私の人生でかけがえのない時間となった。その時間を一言で言うならば、玉石混淆ある大東流の中で、堀川先生から伝承された純粋な合気の世界に強く惹かれ離れることができなかったという以外に適当な言葉がない。

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